カンガルー日和
それは奉還町から1本入ったところにあるカフェだった。
広さ10帖ほどの狭小なカフェで、昭和の建物を改装しているらしい。
男はこの場所を気に入っていた。
営業時間は終えているが、店内はぼんやりと電気がついている。
男はその引き戸を開け、スタッフ用の通用口を抜け、靴を脱いだ。
2階へ続く細く急な階段を上がった。やれやれ。
何かの会をするといえばあまりにこぢんまりとしていると思ったが、
完璧な読書会などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。
(と、村上春樹っぽさを出してみたつもり)
本夜会でも3ヶ月に1回は話題に上る村上春樹。
話題になったこともあり手に取ってみた本だそう。
ところが終わりがわからないので、もやっとしてしまったそう。
村上春樹作品はその表現方法に好き嫌い分かれますね。
ちなみに私は、この中の
「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」
という作品が好きです。
今調べてみたら、2009年発表の長編小説『1Q84』はこの作品から派生した物語だとか。
としょかんライオン
- 作者: ミシェルヌードセン,ケビンホークス,福本友美子
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2007/04/20
- メディア: ハードカバー
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美しい絵が大人も惹きつける絵本ですね。
ルールを教えてもらう。
ルールはどんなときに破っていいか。
大事なことを、子供に優しく教える絵本です。
子供ができたら読ませたい(とくに図書館連れて行く前に読ませたい)絵本。
何よりもニヤリとしてしまったのは、
今まで絵本なんか買わなかった紹介者さんが、
本夜会に参加してから絵本コーナーにも足を向けるようになったとのこと。
主催者として素直に嬉しいことです。
ひともじえほん
その名の通り、
ひと で 文字を作った写真を載せた本。
そしてこの文字がなかなか美しいフォントです。
思わず頬が緩んで、読んだ日の晩はこっそり部屋でひとり、身体を張って文字を作ろうとするはずです。(私だけ?)
僕は日本でたったひとりのチベット医になった
僕は日本でたったひとりのチベット医になった ヒマラヤの薬草が教えてくれたこと
- 作者: 小川康
- 出版社/メーカー: 径書房
- 発売日: 2014/08/23
- メディア: Kindle版
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チベットって、どんなイメージを持っていますか?
ヒマラヤ?
仏教?
「薬膳」ってすぐ出てくるかた、いらっしゃるんだろうか…。
小川康さんのことをご存知の方は出てくるかもしれませんね。
筆者の小川氏と薬草のお茶や食事をしながら直接お話聞く機会があり、チベット医療に関心を深めた紹介者さん。
小川氏がチベットにいかれることになったいきさつから、
チベットで医療を学び、日本に持ち帰る現在までの記録。
なかでも驚いたのは、チベット医になるステップ。
経典を暗記して言い続ける試験があったり、チベットの人に認められないと医師になれなかったり。
「え?それ医師になるのに絶対いる?」と、
現代のせわしない毎日に追われていると一見無関係に思えることが、
チベットでは求められるそう。
その一方で、当然のことだとも思います。
お医者さんに自分の命を、健康を預けるなら、
チベットでのモラルは信頼を得るために必要最低限の知識だと思うからです。
それを曖昧な線引きをせずに、「医師としてクリアすべきタスク」にしている点が面白いと感じました。
さらに小川氏は食べちゃいけない薬草を試してみるなど身体を張った体験もしているところにロマンや思いの強さを感じます。
それはもう心底チベット医療に惚れて学ばれてたんだろう!
と思いきや、一瞬チベット医学から逃げた時期もあったようで、
一気に親近感がわきました。(笑)