カンガルー日和
それは奉還町から1本入ったところにあるカフェだった。
広さ10帖ほどの狭小なカフェで、昭和の建物を改装しているらしい。
男はこの場所を気に入っていた。
営業時間は終えているが、店内はぼんやりと電気がついている。
男はその引き戸を開け、スタッフ用の通用口を抜け、靴を脱いだ。
2階へ続く細く急な階段を上がった。やれやれ。
何かの会をするといえばあまりにこぢんまりとしていると思ったが、
完璧な読書会などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。
(と、村上春樹っぽさを出してみたつもり)
本夜会でも3ヶ月に1回は話題に上る村上春樹。
話題になったこともあり手に取ってみた本だそう。
ところが終わりがわからないので、もやっとしてしまったそう。
村上春樹作品はその表現方法に好き嫌い分かれますね。
ちなみに私は、この中の
「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」
という作品が好きです。
今調べてみたら、2009年発表の長編小説『1Q84』はこの作品から派生した物語だとか。